『BABELZINE』 Vol.3 は全9編のジャンルを横断した本邦初訳のスペキュレイティブ・フィクションがたっぷり詰まって240ページの大ボリューム。
※ 翻訳小説は著者からの許可をいただいて翻訳・掲載しております。
収録内容
● マリア・ハスキンズ「天に輝くいちばんの光」 冴えない少女であった主人公は親友のモイラと二人だけの世界をつくって遊んでいた。あるときモイラは引っ越すことになってしまう。引っ越しの前夜、二人は最後のゲームをする。そのゲームとは、二人の人生を縛りつけることになる黒魔術だったのだ。
● キャロリン・アイヴス・ギルマン「帰郷」 失われた民アトーカによって描かれた謎めいた肖像画アルドリイ。ある日アトーカの末裔を名乗る若者が訪れ画の返還を要求する。半信半疑の学芸員ルーが調査を開始すると驚くべき事実が次々に明らかになるがそれは世界を二分する大論争の始まりに過ぎなかった。
● マリア・ハスキンズ「天に輝くいちばんの光」 冴えない少女であった主人公は親友のモイラと二人だけの世界をつくって遊んでいた。あるときモイラは引っ越すことになってしまう。引っ越しの前夜、二人は最後のゲームをする。そのゲームとは、二人の人生を縛りつけることになる黒魔術だったのだ。
● アラヤ・ドーン・ジョンソン「ハワイの果実ガイド」 日系ハワイ人キイの仕事は収容所の看守。そこに収容されているのは、ハワイを侵略した吸血鬼たちによって「収穫物」として囚われている人間たちだ。同胞を裏切る罪の意識と、収容所を支配する吸血鬼テツオに対する恋慕の間でキイは苦悩するが……
● ジョン・ウィズウェル「百手のキムを鎮めるに際してのガイドライン」 新入生必読! 異形の彫像〈百手のキム〉がそびえ立つこの大学で、薔薇色のキャンパスライフを生き延びたいあなたが絶対に守るべき十の規則。
● レベッカ・キャンベル「大いなる過ち」 気候変動により大きな変化を遂げつつある近未来のカナダ。楽器職人メイソンは、天才的なバイオリンの才能を持つ少女デルガドのために究極のバイオリンを造ることを決心する。変わりゆく世界の中で決して変わらずに残り続けるものを造るため彼が下した決断とは。
● イザベル・J・キム「クリストファー・ミルズの差戻し」 死者の証言が合法となったカリフォルニア。プロムの夜に殺されたクリストファー・ミルズは証言のために妹によって蘇生され、地獄から呼び戻される。しかし、地獄の生活に慣れきったクリスにとって生前のことなどどうでもよくなっていたのだった。
● グレゴリイ・フロスト「マキラドーラの聖母」 報道カメラマンの「あなた」は取材中に奇妙な噂を聞く。国境の向こう側のメキシコにある米国資本の工場で工員が聖母マリアの姿を幻視したというのだ。メキシコ人写真家の助けを借りて工場に潜入した「あなた」はそこで衝撃的なものを目にすることになる。
●ラヴィ・ティドハー「ホエイリアンたち」 ある日、アメリカ上空に現れたクジラ型異星人。彼らの要求は、モルモン教の教祖との面会だった。一方で、エイリアンの出現で失職を確信したSF作家たちは、集まって異星人撃退の策を練るが……。 宗教とSF作家を巡る怪作スラップスティックSF。
2023年5月発行 A5 240ページ 1500円